Home / 投資/資産運用 / FX高スワップ通貨ランキング!潜むリスクと賢い選び方

FX高スワップ通貨ランキング!潜むリスクと賢い選び方

目次

1. スワップポイントとは?基本を分かりやすく解説
2. スワップポイントが発生する仕組み (金利差と政策金利)
3. スワップポイントの受け取りと支払い (プラススワップ・マイナススワップ)
4. スワップポイントはいつ付与される? (ロールオーバーの仕組み)
5. 高スワップポイントが期待できる通貨ペアの特徴
6. なぜ「高金利通貨」が存在するのか? (新興国通貨と経済背景)
7. 代表的な高スワップ通貨ペア3選
8. 高スワップポイント通貨を選ぶ際の注意点とリスク管理
9. 最大のリスクは為替変動!スワップ<為替差損の可能性
10. 新興国通貨特有のカントリーリスク (政治・経済不安、インフレ)
11. スワップポイント自体も変動する
12. 安全運用なら低レバレッジが鉄則 (ロスカットリスクを避ける)
13. スワップポイント再投資で複利効果を狙う方法
14. 【徹底比較】スワップポイントが高いおすすめFX会社
15. FX会社ごとにスワップポイントは大きく異なる!
16. 主要高金利通貨ペア スワップポイント比較表
17. スワップ運用向きのFX口座選び3つのポイント
18. 主要高金利通貨ペアの現状と今後の見通し
19. メキシコペソ/円(MXN/JPY)の最新動向と今後の見通し
20. トルコリラ/円(TRY/JPY)の最新動向と今後の見通し
21. 南アフリカランド/円(ZAR/JPY)の最新動向と今後の見通し
22. まとめ

FXでスワップポイントによる収益を目指したいけれど、どの通貨を選べば良いのか、また高金利通貨にはどのようなリスクが潜んでいるのか、疑問をお持ちの方は少なくないでしょう。高金利通貨は確かに魅力的なリターンをもたらす可能性がありますが、その裏には相応のリスクも存在します。私自身も長年FXに携わる中で、スワップポイントの魅力と、その裏に潜むリスクの両面を数多く見てきました。特に新興国通貨のスワップ運用は、正しい知識と慎重な判断が求められます。

この記事では、FXのスワップポイントの基本的な仕組みから、注目すべき高金利通貨の特徴、そしてそれらの通貨に投資する際に必ず理解しておくべきリスク、さらにはスワップ運用に適したFX会社の選び方まで、専門的な観点から分かりやすく解説します。最後までお読みいただければ、ご自身の投資戦略に合った高スワップ通貨の選択肢と、賢明な運用方法についての理解が深まるはずです。

スワップポイントとは?基本を分かりやすく解説

FX取引におけるスワップポイントは、しばしば「金利差調整分」とも呼ばれ、投資家にとって魅力的な収益源の一つとなり得ます。しかし、その仕組みを正しく理解しておくことが、賢明な投資判断には不可欠です。

スワップポイントが発生する仕組み (金利差と政策金利)

スワップポイントとは、基本的に異なる2つの国の通貨を交換する際に生じる金利の差額から発生する利益または損失のことです 。具体的には、各国の金融政策を司る中央銀行(日本では日本銀行)が設定する「政策金利」の差が、スワップポイントの大きさを決定する主な要因となります 。  

例えば、政策金利が低い国の通貨(例:日本円)を売って、政策金利が高い国の通貨(例:米ドル)を買うポジションを保有すると、その金利差に相当する金額をスワップポイントとして受け取ることができます 。この関係は、銀行預金を考えると理解しやすいかもしれません。金利が高いA銀行にお金を預け、金利が低いB銀行からお金を借りた場合、差し引きで利益が出るのと同じようなイメージです。この「銀行」を「国(通貨)」に置き換えたものがスワップポイントと考えると、その本質が掴みやすいでしょう 。  

スワップポイントの受け取りと支払い (プラススワップ・マイナススワップ)

前述の通り、政策金利が高い通貨を買い、政策金利が低い通貨を売るポジションを保有している場合、その金利差分のスワップポイントを受け取ることができます。これを「プラススワップ」と呼びます 。  

しかし、逆に政策金利が低い通貨を買い、政策金利が高い通貨を売るポジションを保有した場合は、金利差分のスワップポイントを支払う必要が生じます。これが「マイナススワップ」です 。現在の日本は歴史的な低金利政策を継続しているため、多くの対円通貨ペアで日本円を売って外貨を買うポジション(買いポジション)を保有すれば、プラススワップとなる傾向にあります 。ただし、重要なのは、各国の政策金利は経済状況などに応じて変動する可能性があるという点です。そのため、「スワップポイントは必ず受け取れるもの」と安易に考えるのではなく、マイナススワップが発生する可能性も常に念頭に置く必要があります。  

スワップポイントはいつ付与される? (ロールオーバーの仕組み)

スワップポイントは、FX取引においてポジションを決済せずに翌営業日まで持ち越した場合(これを「ロールオーバー」と呼びます)に発生します 。原則として、このロールオーバーが行われるたびに、つまりポジションを保有している限り毎日スワップポイントが付与されることになります。ただし、土曜日や日曜日、各国の祝日など市場が休場している日の分については、特定の営業日にまとめて付与されるのが一般的です。この付与スケジュールはFX会社によって異なるため、事前に確認しておくと良いでしょう。  

高スワップポイントが期待できる通貨ペアの特徴

スワップポイント運用で高い収益を目指すのであれば、どの通貨ペアを選ぶかが非常に重要になります。一般的に高いスワップポイントが期待できるのは、いわゆる「高金利通貨」と呼ばれる国の通貨です。

なぜ「高金利通貨」が存在するのか? (新興国通貨と経済背景)

高いスワップポイントを提供する通貨の多くは、メキシコ、トルコ、南アフリカといった新興国の通貨です 。これらの国々がなぜ高金利政策を採用する傾向にあるのか、その背景にはいくつかの経済的要因が考えられます。主な理由としては、国内のインフレーションを抑制するため、あるいは海外からの投資資金を呼び込み、自国の経済成長を促進するためなどが挙げられます。  

新興国は、先進国に比べて高い経済成長のポテンシャルを秘めている一方で、政治情勢が不安定であったり、経済基盤が脆弱であったりするケースも少なくありません 。この「高金利」という状況は、高い成長期待の裏返しであると同時に、そうした国々が抱えるリスクの反映でもあると理解しておくことが重要です。つまり、高いリターンが期待できる背景には、相応のリスクが存在する可能性が高いのです。  

代表的な高スワップ通貨ペア3選

日本円との組み合わせ(クロス円)で、比較的高いスワップポイントが期待できる代表的な通貨ペアを3つ紹介します。ただし、これらの通貨が持つリスクについても十分に理解しておく必要があります。

  • メキシコペソ/円 (MXN/JPY) メキシコは豊富な石油資源を持つ資源国であり、その経済は地理的にも歴史的にもアメリカと深いつながりがあります 。政策金利も高い水準を維持しており 、スワップポイント運用を目的とした投資家からの人気も高い通貨の一つです。比較的値動きが安定している時期も見られますが、新興国通貨である以上、急な変動には注意が必要です 。  
  • トルコリラ/円 (TRY/JPY) トルコは非常に高い政策金利を設定しており 、それに伴いスワップポイントも極めて高い水準になることがあります 。しかし、その魅力の裏には大きなリスクが潜んでいます。慢性的な高インフレ、不安定な政治情勢、そして地政学的な問題などから、トルコリラの価値は長期的に下落傾向にあり、為替差損がスワップ収益を大きく上回る可能性が常に指摘されています 。  
  • 南アフリカランド/円 (ZAR/JPY) 南アフリカも金やプラチナといった豊富な鉱物資源を持つ資源国であり、政策金利も比較的高く設定されています 。そのため、スワップポイント狙いの投資対象として注目されます。しかし、国内の政治経済情勢の不安定さや、世界的な金融市場の資金の流れの変化に影響を受けやすいという特徴も持っています 。  

これらの通貨の政策金利は、スワップポイントの源泉となるため、常に最新の情報を確認することが重要です。以下は、参考情報として2025年6月2日時点での各国の政策金利です。

政策金利 (2025年6月2日時点)主な特徴
トルコ46.00% 高インフレ、政情不安リスクが高い
メキシコ8.50% 資源国、対米経済依存度が高い
南アフリカ7.25% 資源国、国内政治・経済リスクあり
日本0.50% 歴史的低金利

(出典:岡三オンラインの情報を基に作成 )  

この表からも分かる通り、日本との金利差が大きい国ほど、高いスワップポイントが期待できることになります。しかし、繰り返しになりますが、高金利であることと、その国の通貨が抱えるリスクは表裏一体の関係にあることを忘れてはいけません。

高スワップポイント通貨を選ぶ際の注意点とリスク管理

高スワップポイント通貨は魅力的なリターンをもたらす可能性がありますが、その一方で無視できないリスクも伴います。これらのリスクを十分に理解し、適切な管理を行うことが、スワップ運用を成功させるための鍵となります。

最大のリスクは為替変動!スワップ<為替差損の可能性

高スワップポイント通貨への投資における最大の注意点は、何と言っても為替レートの変動リスクです 。日々得られるスワップポイントが積み重なっても、それ以上に為替レートが不利な方向に大きく動いてしまえば、結果として損失を被ることになります。これを「スワップポイントでコツコツ貯めても、為替差損でドカンと失う」と表現されることもあります。  

特に新興国通貨は、先進国通貨に比べて価格変動が激しい傾向にあります 。例えば、トルコリラ/円は長年にわたり下落トレンドが続いており、2007年には1トルコリラ=99円台でしたが、2025年には3円台まで価値が下落しています 。このような状況下では、いくら高いスワップポイントを受け取っていても、為替差損によってトータルでは大きなマイナスになってしまう可能性が非常に高いのです。私自身、スワップポイントの高さだけに目を奪われ、この為替変動リスクを軽視した結果、大きな損失を被ったトレーダーを何人も見てきました。特に新興国通貨では、このリスクを常に最優先で考慮する必要があります。  

新興国通貨特有のカントリーリスク (政治・経済不安、インフレ)

高金利通貨の多くを占める新興国は、先進国と比較して政治的・経済的な安定性に欠ける場合があります。これが「カントリーリスク」と呼ばれるものです。具体的には、政権交代や政策の急な変更、汚職問題、さらには近隣諸国との紛争といった地政学的な緊張などが、通貨価値に大きな影響を与える可能性があります 。  

例えばトルコでは、エルドアン大統領の経済政策や中央銀行への介入が市場の不信感を招き、通貨安の一因となっていると指摘されています 。また、メキシコの場合は、隣国アメリカとの経済的・政治的な関係が通貨価値に大きな影響を与える要因となります 。さらに、新興国では高いインフレーションが慢性化しているケースも多く、これも通貨価値を実質的に押し下げる要因となり得ます 。これらのカントリーリスクは、予測が難しく、突発的に発生することもあるため、常に最新のニュースや情報をチェックし、警戒を怠らないことが重要です。  

スワップポイント自体も変動する

スワップポイントは、一度設定されたら固定されるものではなく、日々変動する可能性があるという点も理解しておく必要があります 。スワップポイントの源泉となるのは各国の政策金利ですが、これらは各国の中央銀行が経済状況に応じて見直すため、変動します。その結果、通貨間の金利差も変わり、受け取れるスワップポイントが増減したり、場合によってはプラスだったスワップがマイナスに転じたりすることもあり得ます。また、FX会社間の競争や短期金融市場の状況によっても、顧客に提示されるスワップポイントは変動します。したがって、「今高いスワップポイントが得られるから、将来もずっと同じだけもらえる」と安易に期待するのは禁物です。  

安全運用なら低レバレッジが鉄則 (ロスカットリスクを避ける)

高スワップポイント通貨、特に価格変動が大きい新興国通貨で長期的な運用を目指すのであれば、レバレッジを低く抑えることが極めて重要です。具体的には、レバレッジ1倍から、高くても3倍程度に留めることが推奨されます 。  

レバレッジは、少ない資金で大きな取引を可能にするFXの魅力の一つですが、同時に損失のリスクも拡大させます。高レバレッジの状態で為替レートが少しでも不利な方向に動くと、証拠金維持率が急激に低下し、強制的にポジションが決済される「ロスカット」のリスクが高まります。スワップ運用は長期保有を前提とすることが多いため、短期的な価格変動でロスカットされてしまっては、それまでに積み上げてきたスワップポイントも意味をなさなくなってしまいます。ロスカットを避け、長期的にポジションを維持するためには、十分な余裕を持った資金管理と低レバレッジでの運用が不可欠です。多くのFX会社では、証拠金シミュレーションツールを提供しているので、これらを活用してリスクを事前に把握することも有効です 。  

スワップポイント再投資で複利効果を狙う方法

得られたスワップポイントをそのまま利益として確定するのではなく、さらに外貨購入の原資として再投資することで、複利効果を狙うという戦略もあります 。これは、元本(最初に購入した外貨)だけでなく、スワップポイントによって得られた外貨に対しても新たにスワップポイントが付与されるようになるため、長期的にはより大きな収益が期待できるという考え方です 。  

ただし、この再投資戦略にも注意点があります。再投資するということは、為替変動リスクにさらされる外貨の量が増えることを意味します 。つまり、複利効果でリターンが増える可能性がある一方で、為替レートが不利に動いた場合の損失も大きくなる可能性があるのです。FX会社によっては、スワップポイントの扱いについて、「貯める(未実現利益としてプールする)」、「再投資する」、「分配する(定期的に口座に出金する)」といった選択肢を提供している場合がありますので 、ご自身の投資方針に合わせて選択することが重要です。  

【徹底比較】スワップポイントが高いおすすめFX会社

スワップポイント運用を成功させるためには、どの通貨ペアを選ぶかと同様に、どのFX会社で取引するかも非常に重要な要素となります。

FX会社ごとにスワップポイントは大きく異なる!

驚かれるかもしれませんが、同じ通貨ペアであっても、FX会社によって投資家に提供されるスワップポイントの額は異なります 。時にはその差が無視できないほど大きくなることもあります。したがって、スワップポイントによる収益を重視するのであれば、各FX会社が提示するスワップポイントを比較検討し、より有利な条件で取引できる会社を選ぶことが、収益最大化に直結します。  

主要高金利通貨ペア スワップポイント比較表

以下に、主要な高金利通貨ペアであるメキシコペソ/円、トルコリラ/円、南アフリカランド/円について、いくつかのFX会社のスワップポイント(買いポジションの場合)を比較した表を掲載します。ただし、これらの数値は日々変動する可能性があるため、あくまで参考としてご覧いただき、最新の情報は必ず各FX会社の公式サイトでご確認ください。

FX会社名MXN/JPY (買いスワップ/10万通貨)TRY/JPY (買いスワップ/1万通貨)ZAR/JPY (買いスワップ/10万通貨)データ確認日
みんなのFX263円 53円 232円 2025/05/22
GMO外貨201円 38円 137円 2025/05/22
GMOクリック証券185円 (18.0円/1万通貨 )41円 150円 (15.0円/1万通貨 )2025/05/22, 2025/05/30
LIGHTFX176円 41円 138円 2025/05/22
SBI FX トレード170円 38円 130円 2025/05/22

(注記:上記スワップポイントは変動します。GMOクリック証券のメキシコペソ/円と南アフリカランド/円のカッコ内は1万通貨あたりの数値です。最新情報は各FX会社の公式サイトでご確認ください。)

この表からも分かるように、同じ通貨ペアでもFX会社によってスワップポイントに差があることが見て取れます。特定の通貨ペアに強いFX会社もあれば、全体的にバランスの取れたスワップを提供する会社もあります。ご自身が取引したい通貨ペアや運用スタイルに合わせて、最適なFX会社を選ぶことが重要です。

スワップ運用向きのFX口座選び3つのポイント

高いスワップポイントを提示していることはもちろん重要ですが、それ以外にもスワップ運用に適したFX口座を選ぶ際には、以下のポイントも考慮すると良いでしょう。

  1. スワップポイントの高さと安定性: 単に一時的にスワップポイントが高いだけでなく、過去の実績などから継続的に競争力のあるスワップポイントを提供しているかを確認しましょう。スワップポイントは日々変動するため、ある程度の期間、安定して高い水準を維持している会社は信頼性が高いと言えます。
  2. 取引単位: 特にFX初心者の方や、まずは少額から試してみたいという方にとっては、最小取引単位が小さいFX会社が適しています。多くのFX会社では1000通貨単位からの取引が可能ですが、中には1通貨単位から取引できる会社もあります 。これにより、リスクを抑えながらスワップ運用を始めることができます。  
  3. 信頼性と安全性: 言うまでもありませんが、大切な資金を預けるFX会社が信頼できるかどうかは最も基本的な確認事項です。日本の金融庁に登録されている正規の業者であること、顧客の資産が会社の資産とは別に管理される信託保全がしっかり行われていること、そして取引システムの安定性などを確認しましょう。
  4. スワップポイントの扱い: FX会社によっては、保有しているポジションを決済しなくても、日々発生するスワップポイントだけを利益として出金できるサービスを提供している場合があります 。また、前述したスワップポイントの再投資オプションの有無なども、運用スタイルによっては重要な選択基準となります 。日興FXの例では決済しないと出金できないとされていますが 、このような違いも利便性に影響します。  

これらのポイントを総合的に比較検討し、ご自身の投資戦略やリスク許容度に最も合ったFX会社を選ぶことが、スワップ運用を成功させるための第一歩となります。

主要高金利通貨ペアの現状と今後の見通し

(最終更新日: 2025年6月10日) (このセクションの情報は、特定の時点での市場見通しであり、将来を保証するものではありません。投資判断はご自身の責任において行ってください。)

高金利通貨のスワップ運用を検討する上で、各通貨ペアの現状と今後の見通しを把握しておくことは非常に重要です。ここでは、代表的な高金利通貨ペアであるメキシコペソ/円、トルコリラ/円、南アフリカランド/円について、最新の動向をまとめます。

メキシコペソ/円(MXN/JPY)の最新動向と今後の見通し

メキシコペソは、その比較的高い政策金利(2025年6月2日時点で8.50% )から、スワップ運用を目的とする投資家の間で人気のある通貨の一つです。近年のメキシコペソ/円は、2020年頃から上昇トレンドを示した後、調整局面に入るなど、一定のレンジ内での動きも見られます 。  

メキシコペソのプラス要因としては、石油などの資源国であること、地理的にも経済的にもアメリカとの結びつきが強いこと、そして他の新興国通貨と比較して格付けが比較的良好で、外貨準備も潤沢であることなどが挙げられます 。  

一方で、マイナス要因としては、メキシコ中央銀行が利下げに転じる傾向を見せていること 、メキシコ国内の財政状況に対する懸念 、そしてアメリカの政策変更などがメキシコ経済やペソ相場に影響を与えるリスクなどが考えられます 。  

専門家の間では、メキシコペソ/円の今後の見通しについて、一定のレンジ内での推移を予想する声が多く聞かれます。例えば、7.1円から7.37円程度のレンジ 、あるいはより広く5円から8円程度のレンジ を想定する見方があります。また、テクニカルな観点からは、円高が進む場合の目途として4円台前半、円安が進む場合の目途として9円台前半という分析もあります 。メキシコペソは高金利通貨の中では比較的安定感があると言われることもありますが、それでも新興国通貨であることに変わりはありません。特にアメリカの金融政策や主要な経済指標の発表時には敏感に反応する傾向があるため、関連ニュースのチェックは欠かせないでしょう。  

トルコリラ/円(TRY/JPY)の最新動向と今後の見通し

トルコリラは、非常に高い政策金利(2025年6月2日時点で46.00% 、ただし2024年3月には50.00%まで引き上げられた後、変動が見られる ため最新情報の確認が必須)を背景に、極めて高いスワップポイントが提示されることが特徴です。しかし、その魅力とは裏腹に、トルコリラ/円は長期的な下落トレンドが続いており、史上最安値を更新し続けるという厳しい状況にあります 。2007年には1トルコリラ=99円台でしたが、2025年には3円台まで価値が大きく下落しています 。  

この背景には、トルコが抱える深刻なリスク要因があります。エルドアン大統領の経済政策運営や中央銀行の独立性に対する市場からの不信感、慢性的な高インフレ、そしてシリアやロシア・ウクライナ情勢などに関連する地政学的なリスクなどが、常にトルコリラの上値を重くしています 。国内の政治不安、例えば野党関係者の逮捕といった報道も、通貨の不安定要因となり得ます 。  

専門家の間でも、トルコリラ/円の先行きについては厳しい見方が大勢を占めており、引き続き下落リスクへの警戒が呼びかけられています。具体的な予想レンジとしては、3.4円から3.9円 、あるいは3.5円から5円 といった見方がありますが、前述のリスク要因に大きな改善が見られない限り、安値を更新する可能性も指摘されています 。  

【重要】トルコリラ/円の取引に関する注意喚起 トルコリラは極めて高いスワップポイントが提示されることがありますが、それ以上に急激かつ大幅な為替変動リスクが存在し、安易な投資は深刻な損失に繋がる可能性が非常に高い通貨です。スワップポイントによる利益が、為替差損によって容易に相殺されてしまうばかりか、それを大きく上回る損失を被る危険性も十分にあります。トルコリラ/円の取引を検討する場合は、これらのリスクを十二分に理解し、ご自身の資産状況とリスク許容度を慎重に考慮した上で、自己責任において判断してください。

南アフリカランド/円(ZAR/JPY)の最新動向と今後の見通し

南アフリカランドも、その比較的高い政策金利(2025年6月2日時点で7.25% )から、スワップ運用を目的とする投資家に注目される通貨の一つです。南アフリカは金やプラチナといった鉱物資源が豊富な資源国であり、これらの国際価格の動向や世界経済全体の状況に影響を受けやすい特徴があります。2024年の南アフリカランド/円は比較的堅調な推移を見せましたが、一部では「上がりすぎ」による反動安のリスクも指摘されています 。  

南アフリカランドのプラス要因としては、前述の資源国としての側面が挙げられます。一方で、マイナス要因としては、国内の政情不安、高い失業率、慢性的な電力不足問題、そして国際的な格付けの低さなどが常に懸念材料とされています 。また、グローバルな金融市場における投資家のリスク回避姿勢が強まると、新興国通貨である南アフリカランドから資金が流出しやすい傾向も見られます。  

専門家の間では、南アフリカランド/円の今後の見通しについて、一定のレンジ内での推移、あるいは調整局面に入る可能性が示唆されています。具体的な予想レンジとしては、7円から8.5円 、あるいは7.00円から9.00円 といった見方があります。また、日本銀行の金融政策の動向も、南アフリカランド/円相場に影響を与える要因として注目されています 。南アフリカランドは、資源価格だけでなく、国内の根深い構造問題やグローバルな金融市場のセンチメントなど、多岐にわたる要因によって価格が変動するため、複合的な視点からの情報収集と分析が求められます。  

まとめ

この記事では、FXのスワップポイントの基本的な仕組みから、高スワップポイントが期待できる通貨ペアの特徴、そしてそれらに伴うリスクと賢い付き合い方について解説してきました。

重要なポイントを改めて確認しましょう。

  • スワップポイントは、2国間の政策金利の差から得られる利益であり、ポジションを翌営業日に持ち越すことで日々付与されます。しかし、その額はFX会社によって異なります。
  • メキシコペソ、トルコリラ、南アフリカランドといった新興国の通貨は、日本円との金利差が大きいため、高いスワップポイントが期待できます。
  • しかし、これらの高金利通貨は、為替レートが大きく変動するリスクや、その国特有の政治・経済的な不安定さ(カントリーリスク)を抱えています。特にトルコリラ/円は、極めて高いスワップポイントの裏に、それをはるかに上回る為替下落リスクが潜んでいることを強く認識する必要があります。
  • スワップポイント運用を行う際には、為替変動による損失がスワップ収益を上回る可能性を常に念頭に置き、低レバレッジでの運用を心がけるなど、徹底したリスク管理が不可欠です。

高スワップポイント通貨への投資は、その魅力とリスクの両面を十分に理解した上で、慎重に判断することが何よりも大切です。もし興味を持たれた場合は、まずは少額から、そして信頼できる情報源とFX会社を選び、ご自身の資産状況とリスク許容度に合わせて検討を始めてみてはいかがでしょうか。

この記事が、あなたのFX取引戦略を考える上での一助となれば幸いです。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です